2017年09月14日

労務監査・労務デューデリジェンス(DD)|未払い賃金G

IPO・M&A労務監査・労務デューデリジェンス(DD)において、最も重要な項目の1つとして、未払い賃金があります。

未払い賃金の1つとして、「最低賃金を下回る賃金を支給している」ケースがあります。

最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」があります。

「地域別最低賃金」は、産業や職種にかかわらず、事業場で働く全ての労働者と使用者に対して適用される最低賃金で都道府県ごとに最低賃金が定められています。

「特定最低賃金」は、特定の産業の基幹的労働者とその使用者について設定されている最低賃金です。

「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の両方が適用される労働者については、高い方の最低賃金を支払うように義務付けています。

特に月給者の場合は、正しい最低賃金の計算が必要です。

最低賃金は、時間給で表記されるため、

月給者の時間給=月給/1ヵ月平均所定労働時間

となり、この時間給と最低賃金を比較します。

この時間給が最低賃金を下回っている場合は、最低賃金額との差額が未払い賃金となります。

さらに、割増賃金を再計算して、既に支払った割増賃金との差額も支払う必要があります。

ただし、最低賃金の対象となる賃金には、下記の賃金は含まれません。

@臨時に支払われる賃金
A1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金
B所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
C所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金
D深夜の時間帯の労働に対して支払われる賃金
E精皆勤手当
F通勤手当
G家族手当


このため、月給の中に上記賃金が含まれている場合は、その金額を除いて最低賃金の計算をしなければなりません。


posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 12:20| Comment(0) | 労務監査・労務デューデリジェンス(DD)

2017年02月14日

労務監査・労務デューデリジェンス(DD)|未払い賃金F

IPO・M&A労務監査・労務デューデリジェンス(DD)において、最も重要な項目の1つとして、未払い賃金があります。

未払い賃金の1つとして、「管理職への割増賃金の未払い」があります。

労働基準法は、1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないと定めています(法定労働時間)。

また、休憩時間は1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないと定めています。

休日は毎週1回あるいは4週4日以上の休日を与えなければならないと定めています。

ただし、これらの労働時間・休憩・休日の原則については、適用除外の定めがあり、下記の者については、適用されないとされています

@農業、畜産・水産業の事業に従事する者
A事業の種類にかかわらず監督もしくは管理の地位にある者または機密の事務を取り扱う者
B監視または断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けた者

Aのいわゆる「管理監督者」については、この規定を根拠として、多くの会社では、「管理職」(例えば、課長)については残業代を支払わないといった運用がされています。

しかし、「管理職」であれば、労働基準法上の「管理監督者」に該当するか、という問題があります。

通達によると、「管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある者をいい、名称にとらわれず、職務内容、責任・権限、勤務態様など実態に即し判断すべきもの」とされています。

したがって、「管理監督者」かどうかは、名称(課長・部長)とは関係なく、実態に基づいて判断されます

つまり、会社が「管理職」として扱えば、誰でも「管理監督者」として認められる訳ではありません。

このため、会社組織上の「管理職」が、労働基準法上の「管理監督者」と認められない場合は、時間外労働等に対して残業代が支払われていないことになるため、割増賃金の未払が発生しています(通常、「管理職」には役職手当を支給し、割増賃金は支払っていないため)

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 12:25| Comment(0) | 労務監査・労務デューデリジェンス(DD)

2016年12月05日

労務監査・労務デューデリジェンス(DD)|未払い賃金E

IPO・M&A労務監査・労務デューデリジェンス(DD)において、最も重要な項目の1つとして、未払い賃金があります。

未払い賃金の1つとして、「変形労働時間制の途中退職者等への割増賃金の未払い」があります。

「1年単位の変形労働時間制」は、原則として対象期間の途中で入社または退社した社員にも適用されます。

ただし、労働した期間が対象期間より短い社員(中途採用者、中途退職者など)について、その労働した期間の労働時間を平均して週40時間を超える場合は、その超えた時間について割増賃金の支払いが必要となります

具体的には、下記の時間に対して、割増賃金の支払いが必要です。

割増賃金の支払いが必要な時間
=「実労働期間における実労働時間」−「実労働期間における時間外労働として支払済の時間」−「実労働期間における法定労働時間の総枠」

「実労働期間における実労働時間」とは、
その社員が対象期間中に勤務した実労働時間のことです。

「実労働期間における時間外労働として支払済の時間」とは、
対象期間の各月で既に割増賃金の支払いが終わっている時間のことです。

「実労働期間における法定労働時間の総枠」とは
(実労働期間の歴日数÷7日)×40時間です。

このため、途中退職者、途中採用者および配置転換者に対して、上記時間に対する割増賃金を支払っていない場合は、未払い賃金となりますので、ご注意ください

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 14:02| Comment(0) | 労務監査・労務デューデリジェンス(DD)

2016年11月28日

労務監査・労務デューデリジェンス(DD)|未払い賃金D

IPO・M&A労務監査・労務デューデリジェンス(DD)において、最も重要な項目の1つとして、未払い賃金があります。

未払い賃金の1つとして、「年俸制適用者への割増賃金の未払い」があります。

「年俸制」は、労働の質によって支払う給与なので、割増賃金を必要としない「管理監督者」、「みなし労働時間制適用者」に適した制度です。

しかし、これは
「管理監督者、みなし労働時間制適用者であるから、割増賃金を支払わなくてもよい」
のであって、
「年俸制だから、割増賃金を支払わなくてもよい」という訳ではありません

このため、
@管理監督者
Aみなし労働時間制適用者以外の者に年俸制を適用している場合は、
時間外労働、休日労働、深夜労働をさせた場合、割増賃金を支払わなければなりませんので、ご注意ください

また、「年俸額の中であらかじめ賞与金額が確定している」場合は、いわゆる賞与とみなされず、割増賃金の計算基礎に含めなければなりません。

割増賃金の計算基礎に算入しない賃金の1つである「賞与」とは、支給額があらかじめ確定されていないものをいい、支給額が確定しているものは「賞与」をみなされないため、年俸制で毎月支払部分と賞与部分を合計してあらかじめ年俸額が確定している場合の賞与部分は、割増賃金の計算基礎に算入しない「賞与」に該当しません

このため、賞与部分も含めて当該確定した年俸額を算定の基礎として割増賃金を支払う必要があります

例えば、年俸が960万円で、毎月の給与がその年俸の16分の1の60万円、夏季賞与が16分の2の120万円、冬季賞与が16分の2の120万円と確定している場合、毎月の給与60万円を算定基礎とすることはできず、年俸960万円の12分の1の80万円を算定基礎としなければなりません。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 11:59| Comment(0) | 労務監査・労務デューデリジェンス(DD)

2016年11月22日

労務監査・労務デューデリジェンス(DD)|未払い賃金C

IPO・M&A労務監査・労務デューデリジェンス(DD)において、最も重要な項目の1つとして、未払い賃金があります。

未払い賃金の1つとして、「深夜割増賃金の未払い」があります。

実務において、よくあるケースが
@管理監督者
Aみなし労働時間制適用者(事業場外労働制・裁量労働制)
に対して、深夜(22:00〜5:00)割増賃金が支払われてないケースです。

労働基準法では「管理監督者については、労働時間、休憩、休日に関する規定は適用しない」との記載があるだけで、深夜労働については、割増賃金を支払わなくてもよいとの記載はありません。

また、みなし労働時間制適用者についても、1日の所定労働時間についてのみなし労働時間に関する規定であって、深夜労働について、割増賃金を支払わなくてもよいとの記載はありません。

このため、
@管理監督者
Aみなし労働時間制適用者
が深夜に労働した場合は、深夜の割増部分(0.25部分)を支払わなければなりませんので、ご注意ください。


posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 10:51| Comment(0) | 労務監査・労務デューデリジェンス(DD)