2020年04月21日

新型コロナウイルス感染症の影響による派遣契約中途解除と一時休業の違いについて

厚生労働省の新型コロナウイルスに関するQ&Aにおいて、派遣先が派遣契約を途中解除した場合の考え方について記載があります。

<労働者派遣契約の中途解除等について>
問1 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約を中途解除せざるをえない場合、派遣先は、労働者派遣法第29条の2【※】に基づく措置を講ずる必要はありますか。

【※】労働者派遣法第29条の2
「労働者派遣の役務の提供を受ける者(派遣先)は、その者の都合による労働者派遣契約の解除に当たつては、当該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業の機会の確保、労働者派遣をする事業主による当該派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならない。」

労働者派遣法第29条の2により、派遣先は、自らの都合により労働者派遣契約を解除する場合には、新たな就業の機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負担等の措置を講じなければなりません。
派遣先の都合によるかどうかについては、個別の事例ごとに判断されるものであり、改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事から施設の使用制限や停止等の要請・指示等を受けて派遣先において事業を休止したことに伴い、労働者派遣契約を中途解除する場合であっても、一律に労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる義務がなくなるものではありません
なお、労働者派遣契約の中途解除が派遣先の都合によらないものであっても、派遣先は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)【※】に基づき、関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要です。

【※】「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)
(3) 派遣先における就業機会の確保
派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。

今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合においても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします


なお、派遣契約の途中解除ではなく、一時休業についても、厚生労働省の新型コロナウイルスに関するQ&Aにおいて、その考え方が記載されています。

問2 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約の内容の変更等を行う場合に、派遣先は派遣元事業主から派遣料金や金銭補償を求められることになりますか。

労働者派遣契約の履行を一時的に停止する場合や、労働時間や日数など労働者派遣契約の内容の一部を変更する場合には、それに伴う派遣料金等の取扱いについては、民事上の契約関係の話ですので、労働者派遣契約上の規定に基づき、派遣元と派遣先でよく話し合い、対応してください。

【関連記事】
新型コロナウィルスの影響で派遣社員を休業させる場合、派遣先は休業手当の支払いが必要?

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 12:17| 労務相談Q&A