2020年03月26日

36協定の過半数代表者とは?

労働基準法第36条(時間外及び休日の労働)では、
「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間又は前条の休日に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。」
と規定しています。

このため、労働者側として36協定の締結を行うことができるのは
@事業場に「労働者の過半数で組織する労働組合」がある場合は、その労働組合
Aそのような労働組合がない場合は「労働者の過半数を代表する者」とされます。

中小企業の場合、労働組合がある会社はまれなため、実務的には「労働者の過半数を代表する者」が36協定の締結当事者となることが多いと思われます。

では、「労働者の過半数を代表とする者」とは、どのような者を指すのでしょうか?

ここでいう「労働者」とは、その事業場に使用される全ての労働者を意味します。

つまり、労働基準法第41条2号の「監督若しくは管理の地位にある者」や、時間・休日労働を禁止されている年少者、アルバイト・パートタイマー、休職者、定年後再雇用者、他社へ派遣されている派遣社員も、過半数を満たすかどうかの計算のカウント対象になります。

これに対し、「過半数を代表する者」は、使用者から自由な立場にある者でなければならないので、「監督若しくは管理の地位にある者」は「過半数を代表する者」にはなれません。

つまり、「監督若しくは管理の地位にある者」は、「過半数を代表する者」の投票権を持つものの、自身が「過半数を代表する者」として選出されることは許されません。

また、「過半数を代表する者」の選出は、法に定める労使協定等をする者を選ぶことを明らかにしたうえで、投票、挙手、労働者の話し合い、持ち回り決議などの民主的な手続きによります。

なお、親睦会の代表者が36協定の締結当事者をなっていた事案で、36協定を無効とした判例として、トーコロ事件があります。

トーコロ事件において、最高裁は、
「過半数を代表する者」の選出が適法といえるには
@当該事業場の労働者にとって、選出される者が労働者の過半数を代表して36協定を締結することの適否を判断する機会
A当該事業場の過半数の労働者がその候補者を支持していると認められるような民主的な手続きがとられていること
が必要とした上で、親睦会の代表者は従業員の知らないところで自動的に協定を締結したに過ぎないから「過半数を代表する者」でもない、と判示しています。

例えば、以下のように会社側が「過半数を代表する者」を指名した上で協定を締結するなどの方法をとると、36協定の締結自体が無効となり、労働基準法違反となる可能性が高くなりますので、ご注意ください。
@「過半数を代表する者」を使用者が一方的に指名している場合
A一定の役職者が自動的に「過半数を代表する者」となることとされている場合
B一定の範囲の役職者が互選により「過半数を代表とする者」を選出している場合

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 14:34| 労務相談Q&A