2020年03月19日

新型コロナウィルスの影響で派遣社員を休業させる場合、派遣先は休業手当の支払いが必要?

まず、派遣社員の「休業手当」の支払い義務は、雇用主である「派遣元(派遣会社)」にあります。

このため、新型コロナウィルスの影響により、派遣先が休業することに伴い、派遣先に勤務する派遣社員も同時に休業することになった場合は、「派遣元(派遣会社)」に休業手当の支払い義務が生じます。

「休業手当の詳細」及び「自社の社員を休業させる場合」については、以下の関連記事をご参照ください。

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新型コロナウィルスによる休業に休業手当は必要?

では、派遣先は、この派遣元(派遣会社)が支払う休業手当について、何か補償する必要があるのでしょうか?

労働者派遣法及び派遣先指針では、派遣先が講ずべき措置として、以下の内容を定めています。

<労働者派遣法第29条の2>
「労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その者の都合による労働者派遣契約の解除に当たつては、当該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業の機会の確保、労働者派遣をする事業主による当該派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならない。」

<派遣先が講ずべき措置に関する指針第2の6の(1)イ>
「派遣先は、労働者派遣契約の締結に当たって、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣先は派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること及びこれができないときには少なくとも当該労働者派遣契約の解除に伴い当該派遣元事業主が当該労働者派遣に係る派遣労働者を休業させること等を余儀なくされることにより生ずる損害である休業手当、解雇予告手当等に相当する額以上の額について損害の賠償を行うことを定めなければならないこと。」

とされており、この条項等に基づき通常、労働者派遣契約書には、休業時における損害賠償条項が定められていると思います。

このため、労働者派遣契約の途中解除による場合は、その派遣元が支払う休業手当分以上の補償が派遣先にも求められると考えます。

しかしながら、この内容は、労働者派遣契約を途中解除する場合であって、(労働者派遣契約の解除を伴わない)一時休業する場合には、当てはまりません。

では、一時休業する場合の取扱いについて、労働者派遣法上に何か定めがあるのでしょうか?

実は特に定めがありません。

このため、一般の契約と同じく、労働者派遣契約において、一時休業の定めをしている場合は、その定めに従い、定めがない場合は、派遣先に法律上、休業手当を補償する義務は生じません。

厚生労働省のQ&Aにも以下の回答がありますので、参考にしてください。

令和元年台風第 19 号に伴う派遣労働に関する労働相談Q&A
問3-2 労働者派遣契約は中途解除しないが、派遣会社に一時的な履行停止を申し込みたい。

答3-2 労働者派遣契約を中途解除せず、一時的に履行を停止する場合には、操業再開までの目途や履行停止の間の派遣料金の取扱いについて、民事上の契約関係の話であるので、労働者派遣契約上の規定に基づき、派遣会社とよく話し合って下さい。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 17:30| 労務相談Q&A