2014年02月28日

未払い残業代対策のポイントC:みなし労働時間制の活用

未払い残業代(サービス残業代)対策のポイントとして、みなし労働時間制の活用があります。

みなし労働時間制とは、実際の労働時間数にかかわらず「労使間で決定した労働時間(例えば8時間)」を勤務したものとみなすことができる制度です。

つまり、実際の労働時間が10時間であっても、8時間働いたものとみなされます。

この場合、実際の労働時間が10時間であっても、8時間を超えた時間について、残業代を支給する必要はありません

逆に、実際の労働時間が6時間であっても、8時間働いたものとみなされます。

この場合、実際の労働時間が6時間であっても、8時間に満たない時間について、賃金を減額することはできません

ただし、この制度を活用できるのは、営業職、専門職、研究職、企業の企画部門で働く人などに限られます

また、みなし労働時間制の導入は、あくまでも例外として認められている制度なので、就業規則に規定したり、労使協定を締結したりするなど、一定の手続きが必要なため注意が必要です。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 12:35| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年02月25日

未払い残業代対策のポイントB:変形労働時間制の活用

未払い残業代(サービス残業代)対策のポイントとして、変形労働時間制の活用があります。

変形労働時間制とは、ある一定の期間(1ヵ月、1年など)を平均して1週40時間以内であれば、特定の日に8時間を超えて、特定の週に40時間を超えて労働させることができる制度です。

つまり、通常、1日8時間、1週40時間を超えて、会社の所定労働時間を定めることができないのですが、変形労働時間制を導入すると、1日8時間、1週40時間を超えて、所定労働時間を定めることができます

例えば、土日休みで、会社の所定労働時間を月・火・水・木は9時間、金は4時間と定めたい場合、この制度の活用が必要です(1週40時間は満たしていますが、1日8時間を超えているため、変形労働制の導入が必要です)。

この場合、月・火・水・木は9時間働いていますが、残業代を支給する必要はありません

また、第1週は36時間、第2週は44時間と定めたい場合も、この制度の活用が必要です(第2週が1週40時間を超えているため、変形労働時間制の導入が必要です)。

この場合も、第2週は44時間働いていますが、残業代を支給する必要はありません

月初は比較的暇で月末は忙しいなど、月間・年間で繁閑の差がはっきりしている事業場で使いやすい制度です。

なお、変形労働時間制の導入は、あくまでも例外として認められている制度なので、就業規則に規定したり、労使協定を締結したりするなど、一定の手続きが必要なため、注意が必要です。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 12:44| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年02月20日

未払い残業代対策のポイントA:現状把握

前回までの過去の裁判例等を見てみると、会社がしっかりとした未払い残業代対策を行っていない場合、会社側の主張はほとんど認められないということが分かったと思います。

このため、あなたの会社では、しっかりとした対策を打たなければなりません。

そこで、まず始めにやらなければならないことは、現状把握です。

つまり、未払い残業代(サービス残業代)金額の大小によって、とるべき対応策が異なってくるため、そもそも未払い残業代がいくらぐらいになるのかを把握する必要があります。

特に必要要件を満たしていない定額残業代や営業手当等の支給は、残業代対策上有効と考えて行っていることが、かえって未払い残業代の高額化をもたらしかねないため、速やかに制度を改善する必要があります。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 13:54| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年02月18日

未払い残業代のよくある誤解I:基本給だけ割増の対象としている

経営者の方とお話をしていると、よく次のようなことを耳にします。

「基本給の25%増しをちゃんと支払っているから、大丈夫!」

これって、大丈夫でしょうか?

実は…ダメです。

労働基準法では、割増賃金の計算基礎から除外できる賃金が決まっていて、その賃金以外の手当は割増賃金の計算対象としなければなりません。

具体的には、下記の賃金しか、割増賃金の計算基礎から除外することができません
 @家族手当
 A通勤手当
 B別居手当
 C子女教育手当
 D住宅手当
 E臨時に支払われた賃金
 F1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金

なお、上記手当については、このような名称の手当であれば、全て割増賃金の基礎となる賃金から除外できるというわけではなく、実態として判断されるため、注意が必要です。

つまり、家族の人数とは関係ない基準で家族手当を支給しているような場合(扶養家族の有無、家族の人数に関係なく一律に支給するもの)は、除外できません

「基本給だけしか割増賃金の計算に入れていない」場合は、早急に対策を講ずる必要があります。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 17:08| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年02月15日

未払い残業代のよくある誤解H:休憩時間だから残業代は払わない

経営者の方とお話をしていると、よく次のようなことを耳にします。

「勤務時間内にタバコ吸ったり、雑談したり、パソコンで遊んだりしていて仕事をしていない時間がある(労働時間ではない)から、残業代は払わなくても大丈夫!」

これって、大丈夫でしょうか?

裁判になった場合、会社のこの主張は認められない可能性が高いです。

実は労働基準法上には、労働時間の明確な定義がありません。

では、問題が起こった場合、何を基準に労働時間と判断するかですが、過去の最高裁判例が基準となります。

過去の最高裁判例では、「労働時間とは社員が会社の指揮命令下に置かれている時間」と判断しています。

つまり、休憩時間と認められるためには、会社の指揮監督を受けていない時間であると評価されなければなりません。

タバコ吸ったり、雑談したり、パソコンで遊んだりしていて仕事をしていない時間があっても、一般的には会社の指揮監督を受けていない時間とは評価されない(社員が自由に労働から離れることがでできる状態ではない)ため、このような休憩時間は労働時間であると認定されます。

「単に職場にいて仕事をしていないというだけでは休憩時間とは認められません」ので、早急に対策を講ずる必要があります。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 14:37| Comment(0) | 未払い残業代対策