2014年01月30日

営業社員の残業代に大きな影響が!(阪急トラベルサポート事件)

阪急トラベルサポート事件(第2事件)の最高裁判決が1月24日に確定しました。

阪急トラベルサポート事件とは、海外旅行の添乗員の「事業場外みなし労働時間制」の適否を争った事件です。

裁判所は「添乗員の実労働時間の把握は困難ではなかった」との判断により、「事業場外みなし労働時間制」の適用は認めず添乗員に対して未払い残業代を支払うように命じました。

事業場外みなし労働時間制とは、「社員が会社の外で勤務し、会社の具体的な指示が及ばず、実労働時間の把握が難しい場合、所定労働時間などあらかじめ定めた時間を働いたものとみなす制度」をいいます。

最高裁は、この事業場外みなし労働時間制が適用されるかどうかについては「業務の性質、内容や状況、指示や報告の方法などから判断すべき」であり、

今回のケースでは
@会社はあらかじめ指示書等により旅程管理に関して具体的な指示をしていたこと
Aツアー中も国際電話用の携帯電話を貸与し、常時電源を入れ、問題発生時には会社に報告して指示を受けるようにしていたこと
B業務終了後には、添乗員に対し、旅程の管理等の状況を具体的に把握することができる添乗日報によって、業務の遂行の状況等の詳細かつ正確な報告を求めていたことから、

「実労働時間の把握は困難ではなかった」と結論づけました。

この判決を聞いて、皆さんにとっては、影響がないように思われるかもしれませんが、実は他人事ではなく、大きく影響してくる可能性があります。

例えば、営業社員に対して、事業場外みなし労働時間制を活用しているケースです。

つまり、上記判決理由のように、営業社員に対して指示・管理をしている場合は、事業場外みなし労働時間制の適用要件を満たさない可能性が高くなります

この場合、営業社員に対して残業代を支払っていない場合は、さかのぼって未払い残業代を支払わなければならないので、注意が必要です。

早急に自社の営業社員の実態を把握し、未払い残業代の請求を受けないよう、対策を打つ必要があります。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 16:25| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年01月21日

未払い残業代のよくある誤解B:営業手当に残業代が含まれている

経営者の方とお話をしていると、よく次のようなことを耳にします。

「営業社員には営業手当を払っているので、残業代は払わなくても大丈夫!」

これって、大丈夫でしょうか?

これも前回と同様、正しいやり方でやっていれば、必ずしも間違いではありません。

ただし、たいていの場合、やり方が間違っているため、未払い残業代(サービス残業代)が発生してしまいます。

よくあるケースは、ただ単に「営業手当は残業代の代わりとして払っている」と社長が言っているだけで、就業規則や雇用契約書にも明記されていないことがあります。

正しいやり方とは
@「営業手当」が「残業代」の対価として、明確にされている
A「営業手当」が何時間分の残業時間に相当しているか明確である
BAを超えた場合には別途、残業代が支払われている


この3つの要件を満たしていない状態で、労働基準監督署の調査や労働訴訟等が起こった場合、「営業手当は残業代である」との主張は、認められない可能性が高いため注意が必要です。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 13:19| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年01月17日

未払い残業代のよくある誤解A:基本給に残業代が含まれている

経営者の方とお話をしていると、よく次のようなことを耳にします。

「基本給に残業代が含まれているため、残業代は払わなくても大丈夫!」

これって、大丈夫でしょうか?

実は正しいやり方でやっていれば、必ずしも間違いではありません。

ただし、たいていの場合、やり方が間違っているため、未払い残業代が発生してしまいます。

正しいやり方とは
@「基本給」と「残業代部分」が明確にされている
A「残業代部分」には、何時間分の残業時間が含まれているか明確である
BAを超えた場合には別途、残業代が支払われている


この3つの要件を満たしていない状態で、労働基準監督署の調査や労働訴訟等が起こった場合、「基本給に残業代が含まれている」との主張は、認められない可能性が高いため注意が必要です。

社長の思いを形にするためにも、正しいやり方で会社のルールを整備する必要があります。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 13:19| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年01月16日

未払い残業代のよくある誤解@:残業代は払わないと合意している

経営者の方とお話をしていると、よく次のようなことを耳にします。

「社員との間で残業代を払わない旨の合意をしているため、残業代は払わなくても大丈夫!」

これって、本当に大丈夫でしょうか?

場合によっては、その合意を契約書として、書面に残されている経営者の方もいます。

実はこのケースが一番大きな未払い残業代請求のリスクを抱えています。

その理由は、いくら社員との間で残業代を支払わない旨の合意(契約)をしていても、労働基準法は強行法規であるため、労働基準法で定められた基準を下回る労働条件は、無効となります。

つまり、労働基準法では
 @1日8時間又は1週40時間を超えて労働した場合
 A休日出勤した場合
 B深夜に労働した場合
には、残業代を支払うようにとの定めがあります。

このため、この基準を下回る(残業代を支払わないとの合意)契約は、無効となり、認められません

労働基準監督署の調査や労働訴訟等になった場合は、いくら会社が「社員との合意があって残業代を支払っていない」と主張しても、法的には全く受け入れられないため、最大2年間に遡って残業代を支払わなければならない可能性があるので、注意が必要です。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 17:36| Comment(0) | 未払い残業代対策

2014年01月11日

未払い残業代対策のポイント@:経営者の意識改革

未払い残業代(サービス残業代)が発生する大きな原因は、経営者が「労働基準法は守れない」という前提でビジネスを組み立てていることです。

このため、社員から未払い残業代を請求された時に、何も対策を打っていないため、莫大な金額が請求されることになります。

ここで経営者は「労働基準法は守れないから、守らないし、何も対策を打たない」という考え方から、「会社を守るために労働基準法を活用する」という発想の転換が必要です。

私は「労働基準法に対する正しい理解と知恵」があれば、労働基準法は社員を守るだけではなく、会社も守ってくれる法律であると考えています。

こうした「労働基準法に対する正しい理解と知恵」を経営者にご提案するのが、私の役割であると思っています。

posted by ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 at 16:13| Comment(0) | 未払い残業代対策